奥の襖

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奥の襖を開けると、そこには父と母が居た。
「よう帰ってきたなぁ」
両親に会うのも何年振りだろうか、すでに真っ赤になって上機嫌の父は、相変わらず元気そうだ。
炬燵の上では旨そうな鍋がぐつぐつと煮えている。
「寒かったやろ、まぁ炬燵に入ってゆっくりしいや」
母からビールを勧められ、鍋をたらふくご馳走になった。
そろそろ元の部屋へ戻る事にしたが、少し酔っていた俺は、来た方向とは逆側の襖を開けてしまった。
そこには、懐かしい爺ちゃんと婆ちゃんが居た。
「よう帰ってきたなぁ」
囲炉裏の傍には旨そうな川魚が炙られている。
俺は座敷に座り、またご馳走になった。
「折角やから、奥に行ってみるか?」
と婆ちゃんが云う。
さらに奥の襖を開けると、そこには写真でしか見た事のなかった曾爺ちゃんと曾婆ちゃんが居た。
「よう帰ってきたなぁ」
俺は自然と笑いが込み上げてきた。

奥の襖は、延々と続いているのだろう──。
ファンタジー
公開:18/12/06 15:24
更新:18/12/06 15:40
家族

渋谷獏( 東京にいるけっどカンサイジ〜ン♪ )

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