大きなちゃぶ台

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僕・義父「ただいま」
長男・長女・次男「おかえり」
◎仕事を終え、帰宅すると、玄関まで三人の子たちがやってきた。たまたま駅で義父と一緒になったが、別に珍しいことではない。
僕・妻・三人の子・妻の両親「いただきます」
◎居間の大きなちゃぶ台で、家族七人が揃い、夕食を囲む。何とも幸せな家族に見えるのではなかろうか。
◎ところが、この家族、血が繋がっていないのだ。さらに、玄関まで僕や義父を迎えにきた三人の子、僕よりも歳上である。というのも、二十二世紀の現代、若返りの薬で老人が子供化するのは流行で、さらに人間は工場の試験管から生まれてくる。だから、そもそも家族の概念すらない。また、全ての仕事はAIがやるので、僕や義父はネカフェに出勤する。しかしながら、こんな時代だからこそ、人間は家族の温かみを求め、こんな擬似家族を形成するのではなかろうか。
SF
公開:18/12/05 17:06
更新:18/12/05 17:07
家族

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