週間オデューヌ

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遂にこの日が訪れた。
今日は、待ちに待った「週間オデューヌ」最終号の発売日だ。仕事も終わり、おれは注文しておいた近所の本屋さんに寄った。
「おじさん、頼んでおいた週間オデューヌ、届いてる?」
「おお、ちょうど今届いたところだよ」
おれは料金を支払い、意気揚々と自宅へ急いだ。

ここまで来るのに1年もかかった。
毎週販売されるパーツを組み立てて行き、ちょうど50号集めることでオデューヌが完成するのだ。
最初に届いたのは、目だった。
おれはその美しい青色の目を嵌めた。
次に届いたのは、鼻だった。
おれはその美しい形の鼻を付けた。
さらに、愛らしい口、耳、首、腕、足⋯⋯と続き、徐々に美しいオデューヌが出来上がっていった。

おれは洗面台の鏡に向かい、オデューヌの頭蓋を左右に開き、最後のパーツの「脳」を嵌め込んだ。
「ああ、やっとオデューヌが完成したわ⋯⋯」
あたしは古い脳をゴミ箱に捨てた──。
ミステリー・推理
公開:18/12/05 12:46
更新:18/12/18 19:43
その影が追いたい undoodnu祭り

渋谷獏( 東京 )

(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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