黄金の蛙

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美しいソプラノで鳴く黄金の蛙は水色の池に住んでいました。
周りは緑と黄土色の平凡な蛙。黄金の蛙は思いました。
(この蛙達に私の優れたところを教えなくては私の価値がわかるまい)
蛙はいつも眼だけ出し、他の蛙が鳴いてると横にやって来ては鳴きます。周りの蛙はだんだんとその美しいソプラノが不快なものになり水色の池を離れました。黄金の蛙は思います。
(私の美声の側では比べられるのが嫌なのだろう)
ある日、この一帯の池の主、鯰が水色の池に来ました。
黄金の蛙は鯰に認められこの水色の池の主になるよう伝えに来たと思いました。
「水色の池の主は私しかいないと確信してました!」
鯰は言いました。
「いくら美しいソプラノで鳴いても、それを聴くとき不快ならもう不快な鳴き声なのだよ。周りを見てご覧なさい。誰もいないじゃないか。美しい姿?この水色の池だとなんの変哲も無い黄土色に見える。池は君だけのものではないのだよ」
ファンタジー
公開:18/12/03 10:57
イソップ寓話風 俯瞰 ことわざでショートショート 井の中の蛙大海を知らず 馬の耳に念仏

さささ ゆゆ( 東京 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

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