噛まれた夢

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 友達と靴を買い回った。靴箱を大きなブランドの袋に一杯詰め込んで、歩行者天国をブラブラ。ええ、よく知っている道。解体された百貨店が普通に営業してて。うん、別に気にならなかった。好きなブランド店も入ってないしね。「あ、やってるんだ」って感じで。
 「どっか寄ろっか?」って言って。あれ? そういえばその友達って誰だったんだろ? 確か、帽子を被ってたな。で… そう、どっか入ろっかってなったんだけど、そのとき、右足の甲から足の裏にかけて、ベチャってなって、千切れそうに痛くなった。
 その子に袋を持っててって頼んで、4D-mentionっていうショップのトイレで、ローファーと、つま先がベトベトするストッキングを脱いだら、右足を、つま先から、あんぐり咥えたような歯型がぐるっとついてて、ぞっとした。ぞっとしたところで目が覚めた。あわてて右足を見た。うん。なんとも無かったよ。噛まれたのは、あの子だったし。
ホラー
公開:18/12/03 08:03

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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