きいろい蝶
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それは涼しい風が吹く季節のことだった。
僕は明るい森の中を歩いていた。何で歩いていたのかは、覚えていない。けど、僕は歩いていた。
幅の狭い川の側を通った時、一人の少女が向こうから歩いてきた。少女は森を歩くには不向きな格好で、すでに草木による傷が見られた。
「そんな格好でどうしたの?」
どうしてだろう。僕は少女に話しかけた。
「蝶々……蝶々を探しに来たの。」
僕は首を傾げた。この辺にいる蝶は、特別珍しいものでは無く、何処にでもいるような種だ。
「あなたはこの森について詳しいの?もし詳しいのなら、きいろい蝶々を知らないかしら?」
僕は、彼女の目に違和感を覚えた。恐らく、何らかのトラウマを持った目だ。
「お気付きでしょうが、私の目は色が分からなくなる病に侵されています。だから、私は色を思い出したいのです。」
彼女の嘘は心を守るもの。彼女は過去と戦うために色を思い出そうとしていたんだ。
僕は明るい森の中を歩いていた。何で歩いていたのかは、覚えていない。けど、僕は歩いていた。
幅の狭い川の側を通った時、一人の少女が向こうから歩いてきた。少女は森を歩くには不向きな格好で、すでに草木による傷が見られた。
「そんな格好でどうしたの?」
どうしてだろう。僕は少女に話しかけた。
「蝶々……蝶々を探しに来たの。」
僕は首を傾げた。この辺にいる蝶は、特別珍しいものでは無く、何処にでもいるような種だ。
「あなたはこの森について詳しいの?もし詳しいのなら、きいろい蝶々を知らないかしら?」
僕は、彼女の目に違和感を覚えた。恐らく、何らかのトラウマを持った目だ。
「お気付きでしょうが、私の目は色が分からなくなる病に侵されています。だから、私は色を思い出したいのです。」
彼女の嘘は心を守るもの。彼女は過去と戦うために色を思い出そうとしていたんだ。
その他
公開:18/12/03 04:47
社会人になってから小説のアイデアが湧かなくなったので、リハビリがてらショートショートを書いていこうと思います。
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