マミさん

2
4

マミさんに近づくな

それは暗黙のルールだ。
マミさんは美しく聡明で完璧だ。そこに他人という不純物が混じってしまえばマミさんは汚れてしまう。
誰もがそう直感し、マミさんに近づくことはなかった。
でも僕はマミさんをもっと知りたいと願った。だからマミさんに言ったんだ。
君のことをもっと知りたい。僕と付き合ってくださいって。
マミさんは頷いてくれた。
マミさんは何でも知っていた。
父が横領したこと。母が浮気していること。兄が密売人なこと。妹が痴漢冤罪で小遣い稼ぎしていること。
僕が過去に友人を自殺に追い込んだこと。
マミさんは全て知っている。
父が■であること。母が□であったこと。兄が◆中であること。妹が◇してしまったこと。
僕が なこと。
僕はマミさんを受け止めきれなくなった。マミさんに別れを告げた。
「真実から逃げられると思っているの?」
マミさんは笑う。
ああ…真実さんからは逃げられない…
ホラー
公開:18/12/02 18:38
更新:18/12/04 19:19

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容