天邪鬼と売り子(あまんじゃくとうりこ)
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むかしむかしの昔話。
自分の声にしたい事と、逆しか言えない天邪鬼。
みんなに嫌われ、のけられて、独りぽっちの天邪鬼。
みんなの事が好きなのに、口を開いて出る言葉。
いつも決まって『お前なんか嫌いだ』
どうして素直に言えないんだろ。
何度溜息ついたって、何度首を傾げたって、
言えば言うほど逆さになる。
ねぇ、どうして?
いっそ喋らなきゃ良いのかな。
そうすればみんな、好きになってくれるかな。
針と糸でちっくちく、口を縫った天邪鬼。
ますますみんな遠くなり、独りぽっちの天邪鬼。
とうとう村を飛び出して、ずっとずっと旅をして、
辿り着いたその先は、色とりどりの花畑。
たまたまお花を摘みにきた、お花屋さんの売り子ちゃん。
笑って『こんにちは』と手を出した。
たまたま糸がぷつと切れ、口を開いて出た言葉。
『こんばんは』
売り子ちゃんが吹き出して、やがて二人で握手して、
仲良くお花を摘んだとさ。
自分の声にしたい事と、逆しか言えない天邪鬼。
みんなに嫌われ、のけられて、独りぽっちの天邪鬼。
みんなの事が好きなのに、口を開いて出る言葉。
いつも決まって『お前なんか嫌いだ』
どうして素直に言えないんだろ。
何度溜息ついたって、何度首を傾げたって、
言えば言うほど逆さになる。
ねぇ、どうして?
いっそ喋らなきゃ良いのかな。
そうすればみんな、好きになってくれるかな。
針と糸でちっくちく、口を縫った天邪鬼。
ますますみんな遠くなり、独りぽっちの天邪鬼。
とうとう村を飛び出して、ずっとずっと旅をして、
辿り着いたその先は、色とりどりの花畑。
たまたまお花を摘みにきた、お花屋さんの売り子ちゃん。
笑って『こんにちは』と手を出した。
たまたま糸がぷつと切れ、口を開いて出た言葉。
『こんばんは』
売り子ちゃんが吹き出して、やがて二人で握手して、
仲良くお花を摘んだとさ。
ファンタジー
公開:18/12/04 00:46
こうだったら良いなのおとぎ話
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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