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私のお母さんは、七色になる。
髪や服じゃない。目の色が変化するのだ。
それは感情を映して変わるらしく、弟が生まれた日は緑に、私が初めてプレゼントを贈った日は、明るい黄色に輝いていた。
お母さんの目が燃えるように赤くなったのは、私が夜遊びをして補導された夜だった。お母さんとの約束を破った私に、お母さんは目の色を変えて怒って、そのあと、青い目をして泣いた。
それ以来、私はお母さんにあんな目をさせないと心に誓ったのだ。
「晴れてよかったわね」
純白のドレスを着た私の肩をさすったお母さんの目は、黄緑色に揺れたあと、オパールみたいに七色に光った。
「お母さん、きれい」
「ばか、それは晴香の方でしょ」
可笑しそうに七色の目を細めたお母さんの目から、涙がこぼれる。同時に、お母さんから私の目へ、虹のアーチがかかった。
それからよっつの緑の目が並んで輝いたのは十ヶ月後、分娩室に元気な声が響いた朝だった。
髪や服じゃない。目の色が変化するのだ。
それは感情を映して変わるらしく、弟が生まれた日は緑に、私が初めてプレゼントを贈った日は、明るい黄色に輝いていた。
お母さんの目が燃えるように赤くなったのは、私が夜遊びをして補導された夜だった。お母さんとの約束を破った私に、お母さんは目の色を変えて怒って、そのあと、青い目をして泣いた。
それ以来、私はお母さんにあんな目をさせないと心に誓ったのだ。
「晴れてよかったわね」
純白のドレスを着た私の肩をさすったお母さんの目は、黄緑色に揺れたあと、オパールみたいに七色に光った。
「お母さん、きれい」
「ばか、それは晴香の方でしょ」
可笑しそうに七色の目を細めたお母さんの目から、涙がこぼれる。同時に、お母さんから私の目へ、虹のアーチがかかった。
それからよっつの緑の目が並んで輝いたのは十ヶ月後、分娩室に元気な声が響いた朝だった。
その他
公開:18/11/30 22:54
高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。
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