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「駆け込み乗車はお止めください」
人で溢れる朝の新宿駅。
閉まる扉に足を挟んでムリヤリ乗車してきたのは女子高生だった。
彼女を見て、私は20年前にタイムスリップした気持ちになった。母校の制服とルーズソックス。長いし、重いし、洗濯が乾かない。私もよくあんなの履いてたわね。しかし、彼女はルーズソックスだけではなかった。両手にもルーズソックス…いや、ルーズ手袋を装着していたのだ。
最近のJKのファッションはどこに向かっているんだろう。
なんて事を考えていると、渋谷駅手前で電車が激しく揺れた。女子高生はバランスを崩し倒れそうになり、必死に腕を伸ばしてつり革に捕まった。一瞬、腕が伸びたように見えて私は目を疑った。今のは何だったんだろうと思う間もなく渋谷に到着し、私は電車から降りた。後ろから女子高生の「降りまーす」という声が聞こえた。なかなか降りられない彼女は必死にホームに足を伸ばした。

びよ~~ん
ファンタジー
公開:18/11/30 12:38
更新:18/11/30 23:34
スクー 内回りのルーズソックス

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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