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この倉庫には、時折星が降る。僕は、物陰を動き回っている。物音をたてると、間髪いれず、矢が飛んでくる。それは必ず、僕の首筋を掠める。
敵の姿を見たことはない。僕も弓矢を持っていて、音のする方へ放ってみるが、当たった気配もない。
これは、時折降ってくる星の争奪戦なのだ。時折というのは、五年か、十年か、五十年に一度だ。
誰かがコンテナに上った。そこは、どこからでも見える危険地帯だった。そいつの身体を、何百もの矢が掠めた。だがそいつはそこに座り、何かの図形を書いた。図形は、そいつの膝小僧で羅針盤になった。雨が降り始めた。渦が産まれた。
倉庫中に渦が広がると、羅針盤の真中から、アコヤ貝みたいなものが出現した。その口から、紫色に光る泡が、ぷつぷつと湧き始めた。
ぷつぷつと湧き上がるそれこそが、僕達が争奪していた星だと分かった。
僕の口からも止め処なく、それはぷつぷつと湧き出し始めていた。
敵の姿を見たことはない。僕も弓矢を持っていて、音のする方へ放ってみるが、当たった気配もない。
これは、時折降ってくる星の争奪戦なのだ。時折というのは、五年か、十年か、五十年に一度だ。
誰かがコンテナに上った。そこは、どこからでも見える危険地帯だった。そいつの身体を、何百もの矢が掠めた。だがそいつはそこに座り、何かの図形を書いた。図形は、そいつの膝小僧で羅針盤になった。雨が降り始めた。渦が産まれた。
倉庫中に渦が広がると、羅針盤の真中から、アコヤ貝みたいなものが出現した。その口から、紫色に光る泡が、ぷつぷつと湧き始めた。
ぷつぷつと湧き上がるそれこそが、僕達が争奪していた星だと分かった。
僕の口からも止め処なく、それはぷつぷつと湧き出し始めていた。
ファンタジー
公開:18/11/28 07:31
更新:18/11/28 07:50
更新:18/11/28 07:50
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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