二つの王国の終焉

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二つの王国があった。
共に相争い、もはや数えきれないほど
戦場で戦う事数十年。
それらの王国も年月とともに疲弊し
今や滅亡を待つのみとなった。

戦場で倒れている王がもう一人の王に話しかける。
「俺もお前ももう戦うのは無理か……」
「そうだな、まあ俺が三万八千八十五回、お前が三万五百二十五回の勝利で俺の勝ち越しだがな!」
「何を言う!! こちらはろくに兵士がいないのに戦わされてばかりだったんだぞ!!」
悔し気にそう言うとふっと笑い
「まあ、お互いよく戦ったもんだな。悔いはない」
そういってあたりを見渡す。
ぼろぼろになった彼と敵の軍隊がそこに倒れていた。

その様子を遠くから眺めている者がいた。
「今までありがとう」
そう言ってチェスの世界チャンピオンだった彼は
長年付き添ってきたチェスの駒とボードに別れを告げる。
そして翼を広げると彼は天国へと旅立っていった。
ファンタジー
公開:18/11/29 22:15

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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