恋の予感【環状線の女】
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朝、フリーターの俺は、大阪環状線の内回りに乗りバイト先に向かう。
同じ時間、同じ車両にいつも妙な女が乗車してくる。スカートに時代遅れのルーズソックスを履いている。あれはルーズソックスではなく、ゴムが伸びきった靴下を履いているのかもしれない。
その女が声をかけてきた。
「いいよ。デートしてあげても」
「は?ごめんタイプじゃないねん」
「なんでウチのことばっか見てんの」
「俺、几帳面やから、気になんねん、その靴下」
「じゃあ、買ってよ」
どこか妹に似ていた。
売店で靴下を買っている俺は、何を考えているのか。
「ありがとう!めっちゃ嬉しい!」
その日から、会うたび「お兄ちゃん」と懐いてくる。
夜、その女が街で強面の男に絡まれていた。やめればいいのに彼女を庇った俺は、ボコボコにされのびた。
「ごめん。ウチと知りあったばかりに、ごめん……」
「ほっとかれへんやろ。お兄ちゃんなんやから」
同じ時間、同じ車両にいつも妙な女が乗車してくる。スカートに時代遅れのルーズソックスを履いている。あれはルーズソックスではなく、ゴムが伸びきった靴下を履いているのかもしれない。
その女が声をかけてきた。
「いいよ。デートしてあげても」
「は?ごめんタイプじゃないねん」
「なんでウチのことばっか見てんの」
「俺、几帳面やから、気になんねん、その靴下」
「じゃあ、買ってよ」
どこか妹に似ていた。
売店で靴下を買っている俺は、何を考えているのか。
「ありがとう!めっちゃ嬉しい!」
その日から、会うたび「お兄ちゃん」と懐いてくる。
夜、その女が街で強面の男に絡まれていた。やめればいいのに彼女を庇った俺は、ボコボコにされのびた。
「ごめん。ウチと知りあったばかりに、ごめん……」
「ほっとかれへんやろ。お兄ちゃんなんやから」
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公開:18/11/27 17:54
スクー
内回りのルーズソックス
ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。お笑い好きで怪談も好き。
お笑いネタのような作品が多いですね(笑)
【受賞作品】
「渋谷シティ」
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞受賞。
「我が家の食卓」
ベルモニーショートショートコンテスト入賞。
「電車家族」
隕石家族ショートショートコンテスト入賞。
「大男の力自慢大会」
「スカイフィッシング」
空想競技2020ショートショートコンテストW入賞。
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