「歩」

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『ノ』に乗った『小』が『少』となり、歩いていた。
これは珍しいと眺めていると、今度は『止』が歩いてきた。
『少』が「少し待って」と言うと、『止』が立ち止まった。
『少』が少し屈むと、『止』がトッと飛び乗った。
『少』と『止』は『歩』になり、再び歩き始めた。
トット、トットと軽快に歩いていく。
私は思わず『歩』の後を追いかけ、声をかけた。
「『歩』だから歩いているのですか?」
『歩』が「ふっ」と鼻で笑った。
その後ろから新たな『歩』が歩いてきた。
私は、その『歩』にも「『歩』だから歩いているのですか?」と尋ねた。
その『歩』は「ふふっ」と微笑んだ。
さらにその後ろから、またしても『歩』が歩いてきた。
もちろん、その『歩』にも「『歩』だから歩いているのですか?」と尋ねた。
ふふふ、とでも笑われるのかな? と思っていると、その『歩』は「散歩だよ」と言った。
私はただ「ほほー」と唸るしかなかった。
その他
公開:18/11/27 16:50

壬生乃サル

まったり。

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2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
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