190. 息子のひみつ

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息子は中二になった途端反抗期に入ってしまったのか私とは必要最小限の会話しかしなくなった。淋しいな…。そう思いつつこれも親離れの第一歩として大切なことなので私もしつこくは話しかけないようにした。
そんな息子の部屋には掃除機をかけるとき以外はなるべく近づかないようにしていたが、あるときいつものように掃除をしていて机の上を軽く雑巾で拭いていたら机の裏側から何かが飛び出しているのが目に入ったのでしゃがんでそれが何なのか思わず確かめてしまった。
そこにはB5サイズの封筒があり、封筒の片面を机の裏側に貼りつけて中身は自由に出し入れ出来るようにしてあった。
──俺の目標。そう書かれた封筒には同じクラスのある女の子から貰ったメモ書きの手紙が広げられた状態でいくつか入れられており、一番上のものには同じ高校へ行こうね!と書かれていた。
これが母離れのきっかけなのね~と思わず破顔し、私はそれをそっと元に戻した。
青春
公開:19/02/19 23:14
更新:19/02/21 02:04

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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