ウィザード王子とノベリスタ③

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隣りの大路が、高校卒業する年だった。
「マコト姉。ネタ要る?」
「ラッキー♪丁度つまってた」
中学で切れた関係は、高校の3年である程度修復し、家に上がるくらいに戻っていた。
大路の独創視点と情報通は、駆け出し作家の生業に貴重だった。もちろん担当もいるけど、互いに30も過ぎれば、現役学生とは感覚がずれる。
「前回重めのミステリーだったし、違う感じ希望」
「魔法の話は?」
「……久し振りだね、お前がそう言うの」

白雪姫の鏡みたいに、『なんでもオトミオシのまほーつかい』
母親不在の淋しいをすり替える魔法を、私が粉々にした。以来、大路は魔法やファンタジーを避け続けた。
「魔法の鏡が、魔女に失恋する話」
「祐(たすく)……?」
「俺の鏡には、いつも良人(まこと)が映ってたよ」

「冗談だよ。結婚おめでとう、マコト姉」
笑う顔は、気付けば全然ちびじゃなくて、名前で呼んだのも、気付いたら初めてだった。
青春
公開:19/02/18 02:00
更新:19/02/18 00:46

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