質恋
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                                いきつけの喫茶店で、マスターに話を聞いてもらうのが、私の休日の過ごし方。
 
「ねぇ、マスター。私、失恋したんです。あ、今じゃなくて、高校生の時。 毎日、連絡を取り合っていた人に告白されたんです。私は彼のこと、友だちだって思ってたから断ったんです。それに、好きとかわかんなかったから。でもね、彼、言ったんです。“それでもいい。君のいちばんになりたい”って。だけど、彼に悪いし、やっぱり断ったんです。それから、連絡は取らなくなって…。なんだか、胸にぽっかり穴が空いたように切なくて。彼からの連絡を待ってしまっていて。それで、気づきました。彼が好きなんだって。でも、気づいたのが遅かった。数ヶ月後、彼に彼女ができたと聞きました」
ここまで、言ったところで、マスターが言った。
「それは、“質恋”だね。君は、はじめて恋を知った。恋は失ってしまったけど、君にとって質の良い恋だったんじゃないかな?」
    「ねぇ、マスター。私、失恋したんです。あ、今じゃなくて、高校生の時。 毎日、連絡を取り合っていた人に告白されたんです。私は彼のこと、友だちだって思ってたから断ったんです。それに、好きとかわかんなかったから。でもね、彼、言ったんです。“それでもいい。君のいちばんになりたい”って。だけど、彼に悪いし、やっぱり断ったんです。それから、連絡は取らなくなって…。なんだか、胸にぽっかり穴が空いたように切なくて。彼からの連絡を待ってしまっていて。それで、気づきました。彼が好きなんだって。でも、気づいたのが遅かった。数ヶ月後、彼に彼女ができたと聞きました」
ここまで、言ったところで、マスターが言った。
「それは、“質恋”だね。君は、はじめて恋を知った。恋は失ってしまったけど、君にとって質の良い恋だったんじゃないかな?」
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      公開:19/02/17 22:42      
    
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    書くこと、読むことが大好き。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』
note https://note.com/sumire_ssg
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すみれ