元勇者の失敗6‗春遠く_(1)
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最初数人で始めた旅も
今や「魔王討伐連合軍」という大層な名前の各国からの
軍勢の選りすぐりを率いるまでになった。
正確な人数はわからないが、四、五十万は超えるだろう。
ここ魔大陸は、年中雪と氷で覆われる極寒の地だ。
そして、我々の春もまた遠い。
リチャード卿を頭とする進撃派は、二、三週間もあれば魔王城を攻め落とせると豪語する。
アーシェ姫を頭とする撤退派は、補給が追い付かなくなりつつあることを危惧している。
これからくる極寒期も悩みの種だ。
それにしても世間知らずだったはずの姫が今や
一国の代表として弁舌をふるっているのだから世の中わからないものだ。
俺はため息をついて、テントに入る。
リチャード卿とアーシェ姫。それぞれの派閥の幹部たちの視線が俺に突き刺さる。
皆、勇者である俺の言葉を待っている。
俺は手短につげた
「撤退する。殿は俺とアーシェ殿でやる」
今や「魔王討伐連合軍」という大層な名前の各国からの
軍勢の選りすぐりを率いるまでになった。
正確な人数はわからないが、四、五十万は超えるだろう。
ここ魔大陸は、年中雪と氷で覆われる極寒の地だ。
そして、我々の春もまた遠い。
リチャード卿を頭とする進撃派は、二、三週間もあれば魔王城を攻め落とせると豪語する。
アーシェ姫を頭とする撤退派は、補給が追い付かなくなりつつあることを危惧している。
これからくる極寒期も悩みの種だ。
それにしても世間知らずだったはずの姫が今や
一国の代表として弁舌をふるっているのだから世の中わからないものだ。
俺はため息をついて、テントに入る。
リチャード卿とアーシェ姫。それぞれの派閥の幹部たちの視線が俺に突き刺さる。
皆、勇者である俺の言葉を待っている。
俺は手短につげた
「撤退する。殿は俺とアーシェ殿でやる」
ファンタジー
公開:19/02/17 21:11
ぼちぼちやっていこうと思います。
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