雪の降るなかで

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森にも雪が降り始めた。
雪をしのぐためにキツネが小さな洞穴を見つけた。「助かった」キツネは洞穴に入り呟くが奥に誰かいる。
暗がりの中、目を凝らすとウサギがいた。「先客さん、しばらく失礼するよ」キツネはウサギに向かって言った。シンシンと降り続く雪。
他の動物もしのぐ場所を探して洞穴にやってくるが、キツネが誰もを寄せ付けない。キツネは降り続く雪を見てため息をつき、眠りについた。目が覚めても雪は降っていた。また眠りにつくかと下を見ると数個の木の実が置いてあった。「何故ここに」とは思ったが空腹には勝てず食べた。奥にはまだウサギがいる。何度か寝たが木の実は目が覚めると置いてあった。雪は更に降り続き、キツネは寒さで震えていた。奥にいたはずのウサギがそっと寄り添ってきた。「あったかい」キツネから言葉がもれた。
きっと木の実もこのウサギが運んでくれているのだろう。しばらく2匹は空から降る雪を見つめていた。
その他
公開:19/02/17 08:27

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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