春先の

1
5

春風の如く現れた夢幻に魘され喘ぎ長い夜をやり過ごす。

そんな春先を過ごしていた。

呼吸もままならない状態で掻いつくようにいつの日か愛した人の名前をつぶやく哀れなわたしを夢幻は色の見えない瞳で見つめてくる。

それはつまり答えを出すつもりはないということか。

絶望にわたしはまた魘され喘いだ。
その他
公開:19/02/16 08:59

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容