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深夜の図書館の中は、外からの都会の光が少しばかり射し込むだけで、窓際以外のエリアは真っ暗であった。

日中は、本をざっと調べているサラリーマンや、連日通い詰めている近所のおじさん、息子を保育園におくった後の、暇を利用して図書館で本を読む主婦の方など、多くの多種多様な利用者で溢れていた。

僕が、ひっそりとこの深夜の図書館に忍び込んだのには理由があった。
夜にしか読めないと言われている秘密の本を読むためであった。

僕は、警備員に見つからないように、真っ先に資料コーナーへと向かった。

分厚い辞書、百科事典の中央にある光輝く秘密の本を手にし、そっと中を読んだ。

日中は、真っ白な頁が、今は文字が浮き上がり、緑色に発光していた。
その本には、この図書館が建たれた秘密がのっていた。

「人間の知恵はここにあり、全ての源は底にある」
その他
公開:19/02/16 00:29

神代博志( グスク )









 

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