カーテンの向こう側

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「このガスの向こうで生存できる生物など、エイリアン以外には存在しません!」
 研究者たちの見解は一致していた。
「地球を征服するつもりなら全土をこのガスで覆い尽くせば済むはずだ。なぜ、半分なのだ。なぜ我々をガスの外側においたのだ?」
 暫定統治政府首脳たちは科学者たちに詰め寄った。
「おそらく、奴隷として使うつもりなのではないかと思われます。我々がこちら側で手出しができない間に、エイリアンは、ガスの向こう側で、その準備を行っているはずです」
「エイリアンの好きにはさせんぞ!」
 連合軍はガスの向こう側に向け、ありとあらゆる兵器を打ち込んだ。向こう側からも反撃がなされた。結局人類は滅亡した。
 月の裏からこの様子を観察していたエイリアンは、地球を仕切っていた分厚いガスのカーテンを回収し、第二の故郷となる地球に、記念すべき第一歩を記した。
SF
公開:19/02/14 13:04
地球観測衛星は破壊済み ガスは通信も遮断 『首都消失』リスペクト

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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