カニバリズム

6
7

「また、カレーかよ。。三食カレーだぜ。ここの奴ら味覚も頭もおかしいんだよ。だからカニバニズムの文明が色濃いとか言われるんだな。早く帰ってレナの飯が食いたいよ」
同じ研究チームの白井が自分の指にはめてある結婚指輪をクルクル回しながら、失礼な事を言う。
「やめないか。フィールドワークの時はその土地の文化に敬意を払え!」
現地の食堂で飯を食ってる。
浅黒い肌色の人の良さそうな給仕がサーブしてる横で、日本語がわからないと高を括る白井は暴言を吐き続け、先にホテルに帰ると出て行った。
ーーそれが、白井の姿を見た最後だった。

白井は酔っ払いながらホテルに向かっていた。
「お客さん」聞いた事のない声で振り向くと先程の給仕だった。
「私、第2外国語で日本語を専攻してました。それにね、人は今でも食べるんですよ」持っていた鉈を白井に向けて降り落とした。


食堂の鍋には、指輪のした手がグツグツ煮込まれている。
ホラー
公開:19/02/14 06:10
更新:19/02/14 09:44
スクー 第二外国語三食カレー

さささ ゆゆ( 東京 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容