目白日

6
8

「こっち見なよ」

嫌だい。
女子となんて目を合わせられるか。

「あーあ、こっち見てくれたら良いものあげるのになあ」
「……」
「あー、今『ピクッ』ってした! 欲しいんじゃん」
「……」
「こっち見なよ」

目は見ない。
鼻だ。

「やっと見た。じゃあ、これあげる!」
「ん?」
「チョコ!」
「どれが?」
「だから、これ。エアーチョコ!」
「は?」
「お返しは三倍だからね! じゃ!」
「……」

女子のすることは分からない。
チョコ?
そうか。今日はバレンタインデーだ。
お返しって何だ?
ホワイトデーのことか?
何を返せば良いのか?
手を見つめる。
もらったエアーチョコが少し溶けていた。
僕の持つ特殊能力「アイ・オブ・ホワイトデー」がエアーチョコを具現化していた。
もしかして、この能力がバレた?
三倍にして返すとは、どういう意味だろう。
僕の特殊能力が白日の下に晒されてしまうのだろうか?
ファンタジー
公開:19/02/14 02:27

undoodnu( カントー地方 )

構成の凝った作品が好きです。
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