カケコミ男
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屈伸を一回、トトンとつま先を地面に叩きつけ、男はスタートを切った。させるものか!駅員たちに緊張が走る。
この駅には駆け込み乗車を楽しむ男がいる。ギリギリまで改札の外で待ち、高架のホームに電車が入ってきたタイミングで一気に走り出すのだ。駅員たちは今日、この危険な男に一泡吹かせてやろうと、走るコースをさり気なく邪魔する計画を立てていた。
改札を通るやいなや、男は早くもトップスピードに達した。朝の通勤客を軽いステップでかわし、長い階段に差し掛かる。 駅員たちのブロックをすり抜けるたび、速度はさらに増しているよう。その姿は、まさに風のごと。男の存在に、誰も気づいてすらいない。
駅員たちは、それぞれ風の吹き去った方向を見やる。すると信じられないことに、男は悠々と電車を見送ったではないか!
ぽかんと立ち尽くした駅員に、誰かの肩がぶつかる。
「今日の駅員、いちいち邪魔くせえな」
この駅には駆け込み乗車を楽しむ男がいる。ギリギリまで改札の外で待ち、高架のホームに電車が入ってきたタイミングで一気に走り出すのだ。駅員たちは今日、この危険な男に一泡吹かせてやろうと、走るコースをさり気なく邪魔する計画を立てていた。
改札を通るやいなや、男は早くもトップスピードに達した。朝の通勤客を軽いステップでかわし、長い階段に差し掛かる。 駅員たちのブロックをすり抜けるたび、速度はさらに増しているよう。その姿は、まさに風のごと。男の存在に、誰も気づいてすらいない。
駅員たちは、それぞれ風の吹き去った方向を見やる。すると信じられないことに、男は悠々と電車を見送ったではないか!
ぽかんと立ち尽くした駅員に、誰かの肩がぶつかる。
「今日の駅員、いちいち邪魔くせえな」
その他
公開:19/02/13 23:12
更新:19/02/19 23:12
更新:19/02/19 23:12
400字って面白いですね。もっと上手く詰め込めるよう、日々精進しております。
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