日本発楽園行き

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ひょんなことから楽園行きの飛行機のチケットを手に入れた。連日の残業に疲れ切っていた私は、早速会社に仮病を使って旅立った。
飛行機の中は温湿度食事サービスと、どれもとても良く快適で、これから楽園に向かうのだという期待に胸が膨らむ一方だった。
やがて飛行機は、とある島の上空を旋回し始めた。乗務員が、この島は無人島で、人の手が入っていない美しい自然を楽しめると教えてくれた。窓から見下ろす緑たちはどこも色鮮やかで、海の青とのコントラストは何とも言えず素晴らしかった。なるほど、これが楽園かと私は感心した。あの仕事に追われる灰色の日々がとても懐かしいような気がした。
着陸を目前にして、私の心臓は高鳴っていた。歓喜と興奮で呼吸が詰まる。シートベルトをはめる手が震えていた。
さぁ、いよいよだ。
飛行機は、速度を落とすことなくまっすぐ楽園に向かった。
その他
公開:19/02/14 17:59

陽川文実( 東京 )

「はるかわ ふみ」と読みます。20歳。ミステリーとライトノベルが好き。

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