逆鱗

逆鱗を見てみたい
もちろん人が激怒しているのを見たいと言う意味ではない
私が言っているのは、語源のほうだ

龍は穏やかな時には人に懐き、背に跨がることもできる
だが喉元に鱗が逆さに生えた部分があり、触ると殺されてしまう
それが「逆鱗」だ
私はその話を聞いた時、直感で見たい！と思った

とりあえず友人の龍専門家に連絡すると、かつて龍を見た四川の山奥に来週にも行くと言う
私は同行させてもらう事にした


到着すると、予想に反して伝説の霊獣はうじゃうじゃ飛んでいた
中には絡まって解けず喧嘩しているものもいた

そこへ係と喋っていた友人が血相を変えて帰ってきた
「逆鱗は麻酔をして全部抜いたそうだ」
『ええ、じゃあ見ることができないのか』
「でだ、全てを集めた龍を軍が保護しているらしい」
『え、全てが逆鱗？』
「そうだ、しかも反政府的な行動が目立ち始めている」

【革命】
そんな二文字が頭を過ぎった