イベントの女

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十二月二十四日。
私は約束のお店で、カップルに混ざって一人テーブルについている。
ガラスの向こうに、彼の姿はまだ見えない。

私にとって、イベントごとはなにより大切だ。
今月から付き合い始めた彼にもそうあってほしくて、私は彼に言った。
「私は一月が誕生日だから、そこから始めてほしいの」と。
彼が呆気にとられるのもわかる。今は十二月で、あと少しで次の私の誕生日がやってくるのだから。
でも私と彼の礎を作ったのは、来月の誕生日なんかじゃない。今年の誕生日なのだ。
誕生日、バレンタイン、ホワイトデー、花火大会、ハロウィン……他全てのイベントを迎えてからじゃないと、この日を迎えられるはずなんてなかった。


「お時間ですが、いかがなさいますか?」
私が黙って頷くと、彼のいないテーブルに、豪華なディナーが運ばれてきた。

彼はもうハロウィン辺りまできただろうか。

考えながら、私は前菜を口へと運んだ。
その他
公開:19/02/12 22:27
スクー 涙の繰り上げスタートクリスマス

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