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休日の昼。その喫茶店は混んでいました。一番奥のテーブルに座り、妻はホットサンド、私はカツカレーを注文しました。
「少しお時間がかかりますがよろしいですか?」と言われ、私は頷いたことを覚えています。
妻のホットサンドはすぐに来ました。カツカレーは、それから20分ほどかかったでしょうか。私が食べている間、妻は何となくソワソワしているように見えました。
ですから私は、少し急いでカツカレーを食べ終え、喫茶店を出たのですが、車に乗り込むとすぐに、妻が妙なことを言いました。
「お客さん全員カツカレーを食べていたから、なんだか怖かったよ」
私は全く気付かなかったのですが、妻がそんな嘘をつく理由はなく、本当にあの時間、あの喫茶店にいた妻以外の全員が、カツカレーを食べていたのだと思います。
「あなたはどうしてカツカレーを頼んだの?」
そう訊ねてきた妻の顔は、今朝までのものとは少し違って見えました。
「少しお時間がかかりますがよろしいですか?」と言われ、私は頷いたことを覚えています。
妻のホットサンドはすぐに来ました。カツカレーは、それから20分ほどかかったでしょうか。私が食べている間、妻は何となくソワソワしているように見えました。
ですから私は、少し急いでカツカレーを食べ終え、喫茶店を出たのですが、車に乗り込むとすぐに、妻が妙なことを言いました。
「お客さん全員カツカレーを食べていたから、なんだか怖かったよ」
私は全く気付かなかったのですが、妻がそんな嘘をつく理由はなく、本当にあの時間、あの喫茶店にいた妻以外の全員が、カツカレーを食べていたのだと思います。
「あなたはどうしてカツカレーを頼んだの?」
そう訊ねてきた妻の顔は、今朝までのものとは少し違って見えました。
その他
公開:19/02/12 19:17
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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