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ジャックは、親指と中指をこすり合わせ、パチンと音を鳴らした。
すると、遠くの曇天が二つにさけ、激しい雷が落ちた。

高速道路を走行していた車は、目の前に落ちた雷を除けきれずに、直撃し、一瞬で大破した。
交通は、瞬く間に、パニックに陥った。

ジャックは遠くで落ちた雷を気にも留めていない様子だった。

雷では飽き足らずに、二キロ先まで、一直線にのびた街灯のほうに指を鳴らした。すると、街灯の明かりは一瞬で全て消え、辺りは暗澹となった。

くるりと外套をなびかせながら、横を振り向き、駐車場に停めてある自家用車にも指を鳴らした。

自家用車は音と同時に、勢いよく宙に飛び上がると、一回転し、コンクリートの地面に爆音と共に着陸した。

ジャックは、鼻を鳴らしながら、道の上を歩き、目的地へと向かった。
その他
公開:19/02/12 19:16

神代博志( グスク )









 

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