特別な一皿

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ある日、私にお城から晩餐会のお誘いの手紙が届いた。
晩餐会には美しい者しか出席できない。それに選ばれた私はとても嬉しく、家族も私のことを誇りだと褒めてくれた。
晩餐会当日、私はお城からの迎えの馬車に乗り家族に別れを告げた。
今まで大切に育ててくれてありがとう。家族はまた涙した。
晩餐会では大勢の美男美女が今か今かとその時を待っていた。
私も皆と同じように衣服を全て脱ぎ去ると大きなお皿の上に横たわった。
ああ、本当に嬉しい。私が食材に選ばれた。なんて光栄なことだろう。
神様がやってきて私に手を伸ばした。神様は私を掴むと口の中に放り込み、咀嚼された。
神様の血肉になれる喜びがあれば、これぐらいの苦痛、何でもない。
ああ、幼馴染の彼と一緒に逃げ出さなくて本当に良かった。
彼は「こんなのおかしい!」と言っていたが私達は神様の特別な一皿になる為に育てられたんだ。
だから、今の私は幸せ…だ?
ホラー
公開:19/02/12 18:40

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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