北風とチョコレート

それはある冬の寒い朝の事でありました
母親がいつもどおり息子を起こしに行くと、息子が「コンコン」と咳をしていました。
どれどれ、母親は息子の額と自分の額をあわせます。
すると少し熱があります
どうやら風邪をひいたようです
「あなたは今日、学校を休みなさい。安静にして寝ているのよ」
「コンコン、わ、分かったよ」
母親は、ベットの上で苦しそうにしている息子を見て胸が苦しくなりました。
「あの子のために何かしてあげたい」
そこで母親は仕事帰りに息子に何か買ってあげようと考えました。
しかし、思っていたよりも仕事が長引き、急いでお店に行きましたが、シャッターが閉まっていました。
「ごめんなさい。」
母親が諦めかけた時、遠くに一軒だけ明かりが見えました。
「あの～すいません。この商品を下さい」
家に帰り着いた母親は息子に買ってきたチョコを差し出しました
「どうかしら？」
「ママ、このお薬、苦いね」