188. 長い髪の毛

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「お父さんの部屋に長い髪の毛が落ちてたの…」学校から帰ると母さんが落ち込んでいた。「えー!父さんに限って浮気はしてないと思うけど…。とにかく帰ってきたら僕がこの毛について問いただすよ」
その夜帰って来た父さんは、細かい三つ編みが沢山付いた髪型をしていた。
「父さんその頭どうしたの?」「あぁ、前からレゲエをやってみたくてなぁ。それで長髪のウイッグを買って知り合いに三つ編みしてもらったんだよ。どうだい?似合うかい?」
「父さんの部屋に落ちてた長い髪の毛ってまさかこのウイッグの?」「あぁそうだよ。なんだ、まさか浮気でも疑ってたのか?」そう言いながらウイッグを慣れた手付きで外した。それを聞いて僕らもやっと宇宙人用のウイッグを脱いだ。

でも僕は気が付いている。部屋に落ちてた毛は人毛だってことを。ちょうど学校で見分け方を習ったばかりだ。
でも母さんには言わないでおくね。それ、人間の男性の毛だから。
SF
公開:19/02/13 21:00
更新:19/02/13 13:23

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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