さよなら、小さなピラミッド

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卒園した保育園の土地が私立高校に買われ、陸上部のグラウンドになるらしい。建物は取り壊されて、地面は競技用のウレタンになる予定で、当然遊具も全部撤去しなければならなかった。

施工業者の一人である僕は重機を使って様々なものを壊していった。瓦礫と共に運ばれてくる部屋の匂いは、どこか懐かしかった。

建物や遊具がなくなると次は地面。砂場は特に困りものだった。砂を囲う板がなかなか大きいので、依頼者はそれをそのまま幅跳び用で使いたいと言ってきた。そのため板を傷つけないよう、重機ではなくショベルでせっせと砂を取り換えなければならなかった。

――ん?

しばらく砂を掘っていると、僕は何かを見つけた。チューリップの形をした名札だった。中身を見ると、名前が書いてある厚紙はふやけていた。加えて、もう一枚の紙が出てきた。

昔あった動物園の子供チケットだった。そこは今、外国人が多く住む市営住宅になっていた。
その他
公開:19/02/11 11:58

モノ

小説を書くことが好き。

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