ボクシング

リング上ではタイトルマッチが行われていた。
挑戦者は対峙したチャンピオンに一歩踏み出したが、隙の無いに構えに怯み一歩退いた。
気を取り直しもう一度踏み出したとき、鋭い眼光に射抜かれてまた一歩退いた。
次こそはと覚悟を決めたとき、今度はチャンピオンが一歩踏み出した。
挑戦者は怯えて退いたが時既に遅し、チャンピオンの連打を食らい為す術なくKOとなった。
試合後に勝因を訊かれたチャンピオンは答えた。
「見てただろ？　あいつ何回後ろに逃げた？　あれはサンドバッグよりもチョロい、三度バックだ」