レベル３の男

　神社へ初詣にきたら、巫女さんが出迎えてくれた。

「辛さレベルはどうなさいますか？」
「え、辛さレベルですか？」
「甘口、中辛、辛口、激辛がございます」
「え？　えっと、じゃあ、辛口で」
「結構辛いですけど、大丈夫ですかね」
「はぁ。まぁ、辛いの好きなんで」
「ファイナルジンジャー？」
「は？」
「ファイナルジンジャー？」
「……はい、ファイナルジンジャー」
「ではレベル３の参道をお進み下さい」

　参道を進むと社殿があり、装束を着た男が顔を出していた。

「お兄さん辛口で正解。俺毎年レベル３担当してんだけどさ、今年のめっちゃくちゃ美味いよ。ボルネオの奥地で俺が採ってきたの」
「何ですかこれ」
「何って、ショウガ。普通の３倍辛くて３倍栄養あるから」
「ここ神社ですよね？」
「神社？　ジンジャーね」
「……あなたは？」
「俺？　俺はショウガ通。正月だけに。ハハッ！　ナンツッテ！」