神威流殺亡派

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ランニングコースでとんでもない一群に遭遇した。黒い装束、無音の足音、全速力に関わらず息切れ一つ起こさず談笑する婦人たち。
間違いない、忍者だ。じゃなきゃ黒子だ。ご丁寧に口元まで黒い布で覆い、素顔がわからない。
「あなたはどちらの流派ですか?」
何故か忍者に親しげに話しかけられた。どうやら同業者と思われている。絶対、旦那に貸してもらったサウナスーツのせいだ。一般人だと思われないように話を合わせた。
「神威流です。北海道に立ち上がったばかりで」
「歴史が新しくていいですね。こちらは伊賀流です。紹介するたびに『にんにん』言われて辛いです。犬にちくわはやるのかとかね。やりませんよ。漫画の見過ぎです」
じゃあもっと忍べよと言いたかったが、それ以前に田舎者と馬鹿にされた気がして悔しかったので、伊賀忍者のスマホの不具合を直してやった。
「これが殺亡の教えです」
仲間にしてくれと言われたので全力で逃げた。
ファンタジー
公開:19/02/12 15:00
更新:19/02/12 11:49

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
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『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

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