ボクシング3〜完結編〜

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前回の試合で完膚なきまでに叩きのめされた挑戦者は、古びた病院のベッドの上にいた。
建物自体もガタがきていて鼠の巣のような有様だが、金銭面を考えれば止むを得ないことだった。
そんな彼のもとへ思いがけない人物が面会に訪れた。
「チャンピオン…どうしてここに?俺を憎んでいるんじゃないのか?」
挑戦者の問いにチャンピオンは険しい顔つきのまま答えた。
「たしかにな。だが話し合って平和的な解決もありなんじゃないかと思ってな。これでも俺は平和を愛する男なんだ」
「こんな俺のために…あ、また鼠だ。こいつ潰してやる」
「やめろ、そいつは俺達にとって平和と同じくらい大切なものだ」
チャンピオンは、そこで初めて歯を見せて笑った。
「なるほど、”マウス“”ピース“か…」
挑戦者もつられて歯を見せて笑うと、二人は歯よりも固い握手を交わした。
その他
公開:19/02/12 05:05
更新:19/02/12 05:05

くろせ さんきち( 埼玉県 )

「くろせ さんきち」と言います。文章を書くのが苦手なもので、投稿にペンネーム同様間が空くと思いますが、よろしくお願いします。

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