小人医師

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クローン技術が発達したある日、医者の小人クローンが 開発された。実在の医者を元につくられた小人は「小人医師」と呼ばれ、一人の微量な細胞から小人医師を大量につくり出す技術も確立された。
小人医師は、いつでもどこでも主治医や、とても優秀で本人は予約がいっぱいの医者に診てもらえるし、内臓が悪い時は身体の中に入って治してくれる。色々な科の小人医師を何人もカバンに入れて持ち歩いたりもできる。そんなことで、小人医師はあっという間に大人気になった。有名な医者のものは、何千何万とつくられた。
けれど、便利なものには欠点がつきもので、小人医師にも1つ良くないところがあった。それは、保存環境が悪いとすぐに死んでしまうことだ。暑い夏の時期、熱中症を治してもらおうとしたら、小人医師が熱くなったカバンの中で死んでしまっているという事例は、今も後を絶たないのだそう。
SF
公開:19/02/12 02:15

陽川文実( 東京 )

「はるかわ ふみ」と読みます。20歳。ミステリーとライトノベルが好き。

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