ムネノネコ

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僕の懐には猫がいる。
いやいやそれはそうだよ、本当は猫なんていやしないよ。
歩きづらいからね。
しんしんとした冷たい空気が部屋に満ちる朝、全く持って辛い気持ちで温かい上ぶとんを剥ぎ、冷たい床板に足を降ろす。
習慣によりTVをつけて、火を沸かし、インスタントコーヒーをカップへ、はじめに少しだけお湯を注ぎ、コップの底でよくよく溶かす様にすると良い香りが立ち昇る。安いコーヒーを少しでもおいしく飲む為のコツだ。
さて、そろそろ外へ出よう、風が無ければ良いな。どんよりと低い空、寒さが首筋にまとわり付く、懐の猫がニャアと鳴いた。そうだな、今日は寒いな、お前が居てくれて良かったよ。
僕の懐には猫がいる。
満員電車では潰されないように気をつけないといけない、灰色のきれいなシャム猫。昼は大体眠ってる、時折欠伸をするんだ。
馬鹿だな、本当の訳が無いでしょう、もちろん猫なんて居ないよ。

僕の懐には猫がいる。
ファンタジー
公開:19/02/11 22:47
更新:19/02/11 22:55

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