ケアレスミス

「お前、本当にこの志望校で良いのか？」
受験を控えた最終面談。担任のＳ先生は難しそうな顔で言った。

「この間の校内模試、ひどい成績だったぞ。心当たりがあるか？」

えっ、どうしてだろう。
得意な現代文はミスをしなかったし、英語も長文読解問題は自信がある。ひょっとして数学かな？　最後の問題、難しかったなぁ。

「後の教科は良かったのに、この国語の点数は何だ！」

よりによって国語？　一番の得意科目なのに。信じられない。

先生はゆっくりと立ち上がって、ニヤリと笑った。
「名前を書き忘れていたぞ。本番では絶対にやるなよ」