ショートショート「ジャンク系」

......ラーメンへ
ラーメンヘ
ラーメンへ......

押しの強い看板のラーメン屋に入った。
カウンターには女の店員が一人だけ。

「いらっしゃい！君が来るのずーっと待ってたよっ！あはは驚いてる。食券なんていらないよ～座って座って！えへへへ......あっごめん顔じーっと見てたラーメン作るね♥️はぁい召し上がれ～......どうしたの？『美味しくない』？嘘でしょ？君のために作ったのになんでそんな酷いこと言えるの？私のこと只のラーメン製造機だと思ってるの！？もう嫌だよ......君のせいでまたしょっぱくなっちゃうよスープ。え？いそうだよ入れてるよ隠し味に涙とかそれ以外も色々。えっなんで立つの帰るのやめてやだごめんなさい謝るから！許して！残さないでえ！わたしを食べ」

家で吐きながら気づいた。
あの看板、区切るところが違う。

......ラ
ーメンヘラ
ーメンヘラ
ーメンへ......