空飛ぶ車とそれを買う人

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昔、誰もが夢見た空飛ぶ車がついに完成!販売を開始した。
しかし空飛ぶ車は高級品。安くても0が7個つく。
その為、空飛ぶ車は富裕層しか持てなかった。
そして化学は進歩した。車が空を飛ぶんだ。家だって空を飛んで当然だ。
富裕層は高層マンションより高い位置に浮遊する家を買い、地上に住む人を貧乏人と嘲笑った。
しかしそれは一部の者だ。
良金持ちは大地を踏みしめる喜びを思い出した。
無秩序な空の交通より、秩序が守られた地上の交通が安全だと理解した。
空気の薄い浮遊する家より、地にどっしりと構えた家の方が居心地が良いと気付いた。
良金持ちは地上に戻ってきた。
では空にいる連中は何だ?
あれは他者を見下すことを快感とする悪金持ちだ。
そいつらは浮遊層を名乗り、今日も高みを目指して家と車を浮遊させていく。

あれから何年経っただろう…空を見上げた。
浮遊層は地上に戻れず星となり、今日も地上を照らしている。
SF
公開:19/02/10 18:36

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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