築50年妻

突然、男が俺の部屋に入ってきた。
俺が4畳の今時珍しい、風呂なしトイレ共同の部屋でお気に入りのカップ麺、『黄色の象のカレーうどん』を服につけないよう啜っていた時だ。
「おい！真由美をかくまっても無駄だ！大人しく返してくれ！」
「はあ？見たとおり、こんな狭い部屋にもう１人、人なんか居ませんよ！」
「いや、いるはずだ！人妻探知機に反応がある！」
なんだそりゃ？
「だいたい、人の部屋に勝手に入って、住居不法侵入で警察電話しますよ！」
「だまらっしゃい！真由美を確保したら、さっさと帰る」
よく見ると、人妻探知機はスマホのアプリなのか、スマホを触っている。
「いたっ！」
俺の後ろの小さなコンクリートの台所の隅に向かってスマホに男は話しかけた。
「愛してる真由美」
『あなた！』と声優っぽい声が聞こえる。
「ゲットだぜ！」
なんだ？その新しいポケモンゴウみたいな人妻探しゲームは！
俺はアプリを検索した。