サヨウナラの音もなく

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黒い闇が君を呑み込んでしまうかのような、そんな夢を見た。

春が訪れるよりも早い桜の香りに僕の浅い呼吸も元へ戻っていく。

昨夜確かに隣で眠ったはずの君の姿は忽然と無くなっていて僕は毛布を雑に剥いで部屋を出る。

そこでおはようと笑ってくれるはずの君を求めて目線を揺らす。

君が消えた日のこと。
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公開:19/02/08 08:44

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

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