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攫われた二月の夜・・・

私は帰宅途中、知らない人物にいきなり車に乗せられ、誘拐された。

タオルで目隠しをされ、それを外された時には、ぼやけた知らない部屋が視界に広がった。

部屋を挟んだ奥のキッチンから、犯人が何かを調理している音がきこえた。

私は犯人に殺されると思った。
同級生を虐めたりしていたら自業自得かなと思うが、真面目に生きた十七年間が知らない漢に奪われるのは最悪な結末だと思った。

私は、部屋の隅々を見回し、脱出経路を探した。
しかし、部屋の窓は完全に鍵がかけられ、ネズミの通る小さな穴すらもなかった。

死を覚悟し目を瞑った。それから、永遠に目を覚まさないと思った。夢の世界には、私を誘拐した犯人の自分がいた。
ミステリー・推理
公開:19/02/07 22:12

神代博志( グスク )









 

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