受け入れる国

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今夜も満員御礼、無事終了。歓声を浴びることで満たされた体は、ショーが終わり、着替えて夜の人混みに混ざるまで火照り続ける。家に帰り、酒を飲んで1日が終わる。

女よりも美しく色気を放ち、身体をしならせる俺は、だけど「俺」だった。

性別が18通りもあると言われているこの国では、俺が男か女かそうでないのかはどうでも良い。騒ぐのは観光客くらいだ。ただスポットライトを浴びると、ここに生きていると実感する。自己肯定のため、ショーの仕事は俺に合っている。

ショーに出ているやつは皆何かしら抱えてる。俺が特殊じゃないのは、良くわかる。性別だけのことじゃなくてね。

ぱっと見分からないけどほら、あれは足に鱗を持ってる、元は人魚さ。あの付け耳っぽいのは、獣に戻れなくなった狐。皆色々あるよな。

あぁ、あそこにいるやつは、たまに触覚が生えてる。いつ自分の星に帰ろうかなんて、昨日ベットの中で相談されたばかりさ…
公開:19/02/07 22:04
更新:19/02/07 23:49

綿津実

自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。

104.がおー

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