食育

学校に通い勉強をする時代は終わった。耳から聞いて覚える勉強法だって古い。パソコンやスマホを使っていつでもどこでもどんな授業でも受けられる体制？それすら一昔前の話だ。
今の時代、学びとは食である。食べることで学ぶ時代が始まった。
量販店には数式や社会情勢の書かれた食材が数多く並ぶ。米粒には様々な文学が書かれてある。おかげで米を食うだけで何千ページもの本を読んだのと同じ学力を得られる。
画期的な勉強法に世界各国が食育を大いに支援した。

そんな食育の行きついた先は知識あるものを食べることである。
ある家庭では親族が亡くなった時、その肉を食べることで亡くなった者の学びや経験を得ることにした。
その結果、食人が学びになるとまで言われ、町では賢者狩りと呼ばれる事件も多発した。
賢者と呼ばれる者は知識を求め、より知識のある賢者を襲う。
真の賢者はバカを演じ、賢者の目を欺き、今日も紛い物の賢者を嘲笑う。