ホワイトアウト肉まん
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「なにこれ!」
残業を終えた帰り道、コンビニで買った肉まんは表面がところどころ黒くなっていた。
「ちょっと!腐ってるよ、これ!」
慌てて店員を問い詰めた。
「とんでもない。これは新商品のホワイトアウト肉まんです」
「ホワイトアウト?」
「白が飛ぶってことです。冷めてくと湯気と一緒に表面の白成分が抜けて黒くなるんです。…購入後、どれくらい経ちました?」
「え…五分くらい」
「残念。食べどきは一分以内です」
「早すぎだろ!」
「まあまあ。ブラックアウトさせますから」
「…何やってんの?」
店員はマッチに火をつけると真っ黒な肉まんに近づけた。肉まんは勢いよく燃え上がった。
「か、火事だ!」
「まあまあ」
肉まんを包む炎が浄化するように黒い部分を剥がすと、黒煙が天井に昇った。
数分後。煤だらけとなったカウンターの上に、ピカピカの白い肉まんができあがった。
「さあ、早く!一分以内!」
残業を終えた帰り道、コンビニで買った肉まんは表面がところどころ黒くなっていた。
「ちょっと!腐ってるよ、これ!」
慌てて店員を問い詰めた。
「とんでもない。これは新商品のホワイトアウト肉まんです」
「ホワイトアウト?」
「白が飛ぶってことです。冷めてくと湯気と一緒に表面の白成分が抜けて黒くなるんです。…購入後、どれくらい経ちました?」
「え…五分くらい」
「残念。食べどきは一分以内です」
「早すぎだろ!」
「まあまあ。ブラックアウトさせますから」
「…何やってんの?」
店員はマッチに火をつけると真っ黒な肉まんに近づけた。肉まんは勢いよく燃え上がった。
「か、火事だ!」
「まあまあ」
肉まんを包む炎が浄化するように黒い部分を剥がすと、黒煙が天井に昇った。
数分後。煤だらけとなったカウンターの上に、ピカピカの白い肉まんができあがった。
「さあ、早く!一分以内!」
ファンタジー
公開:19/02/08 18:05
更新:19/02/09 17:32
更新:19/02/09 17:32
スクー
ホワイトアウト肉まん
マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。
100 サクラ
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