某君母寝ろ

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ハハキトクスグカエレ

まただ。
郵便受けを開けて、俺は舌打ちした。
電報。時代錯誤。この情報社会において、時代遅れの通信手段。
本当に危篤なら、電話なりメールなりすれば良い。
これでもう五回目になる。
俺は忙しいんだ。幼稚な悪戯に付き合っている暇はない。

少し錆びたシャベルが、陽の光を浴びて妖しく光る。昔テレビでは、徳川埋蔵金を掘り当てて一攫千金、という番組をよくやっていた。根拠も無く闇雲に掘るだけでは、見つかるはずもない。
その点、俺は完璧だった。月光の導、波の導、夢の導。三点が交わった箇所、すなわち自宅の庭に目当てのモノはある。今日は赤口なので、今日掘る。

庭の土は想像より柔らかい。ザクザクと掘り進む。
やがてシャベルに何かがぶつかった。
さらに掘っていくと、白骨が出てきた。おそらくは元人間。
頭蓋には五本の大きな傷が見える。
シャベルで六本目の線分を刻み込み、俺は気を失った。
ミステリー・推理
公開:19/02/06 20:23

undoodnu( カントー地方 )

構成の凝った作品が好きです。
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